June 04, 2010

ブッサーと鰤

今日、六本木で出会ったカップルは、一見とても仕事ができそうな男と、甘え上手そうな女。顔は見えないが、後姿はそういう風に見えた。

六本木の、1階がおしゃれ雑貨店の、4階にある、小さめのギャラリーで開催されていた、展覧会に、彼らはいた。
展覧会は、発展途上国での欧米人の活動を見た目側面重視で伝えるというやつで、後輩がいいと行っていたので、会社の帰りにふらりと行ってみたのです。

あと閉館まで30分しかない、というので、なるべく急ぎ目で、さっさかさっさかと展示を見てまわっていたのですが、一向にひとつの展示の前からどかないカップルがいたので、かつ私はそこを少し見たかったので、隣に立って、はやくどけプレッシャーをかけていたら、判明した。そいつらの本性が。

彼らがみていたのは、途上国の人たちが使う用の、簡易トイレ&汚物肥料化缶詰。
男:「あーこれね。結局さ、途上国ってのはさ、衛生面がしっかりしてないっていうかさ、教育もちゃんとできてないからさあ、排便とか?ちゃんとできない人とか一杯いて、感染病とか、あるんだよ」
女:(鼻にかかる声で)「へーすごいね」

?!。なにがすごいんだ?途上国の実態がか?途上国の実態を知っている(そぶりの)男がか?そのなかみのない知ったかぶりに対してへーすごいという嫌味であるのならまだよいが、そのようなニュアンスでもなさそうだなあ。

男は、缶詰が汚物肥料化システムであることをまだ理解していない。ただの携帯トイレだとおもって解説をしておられる。途上国になぜ缶詰型トイレが必要か、その理由を自分はどれだけしっているか、そんな自分はどれだけかっこいいか、力説していた。半径1m以内にはモワっとしたピンクの熱気。しったか鰤め。美術教師になったらまず嫌われるタイプの。

はて、女の顔が見えない。脚は長いが、顔はどうだか。絶対に見てやる。多分、いや絶対にこの女はブッサーだ。中も外もだ。賭けてもいい。どうだ?ほらみろ!ブッサーじゃないか!ブッサーだ!ブッサー!六本木によくいる、正面からと背面からで様子がまったく異なるだまし絵のようなブッサー!


展示はよかった。もうひとつの会場があるらしいので、そちらにも行ってみようと思います。無料です。