February 12, 2010

オンのbuzz、オフのtwitter | その他雑感

デスクトップ版のGoogleバズを使ってみた。まだいろいろと分からないこともあるけれど、だんだんと分かってきたこともある。のでまた感想を。

ちょっと触ってみて、バズは仕事にはいいかもしれない。と思った。逆に言うと、プライベートの日記として使うのなら、twitterの方が向いている。
この間、「バズはコンテンツありき」のようなことを書いたけれど、やはり「何かを共有する」のにバズは向いている。その「共有したいもの」を伝えたり、それに対して何人かで議論しあうのにぴったりなシステムになっている。だから仕事にはいいかもしれない。プライベートで使うにしても、少し理性的な、例えば学問や、新製品や、新事業や、そういうニュース記事などについての議論を交わしたりするのには合っていると思った。今夜の晩ご飯のおかずが何がいいか質問したり、ご飯に生えたきのこの写真をアップしたりするのには、あまり向いていないのではないか、と。

いや、向いてない訳ではないのだ。そういうことをするならtwitterで十分、という気が、今はしている(twitter的な使い方をする人が今後たくさん現れて、そっちが主流になる、ということもあるかもしれないとは思う)。
具体的にtwitterと何が違うのか、そもそもバズってどう使うのか、自分なりに気づいたことをいくつか。というか体系的に書くのがすごい難しいなこれ・・・。ばらばらと書きますので適当にお読み下さい。あんまりハウツーにはなってないです。

●バズ = friendfeed + Gmailのスレッド機能
firiendfeed(ff)というのは、知ってる人は知ってると思うけど、自分のブログとかtwitterとかflickrとかtumblrとかのポストを、ひとまとめのタイムラインで一覧できる、かつtwitterみたいに他人とタイムラインを共有できる、っつうサービスです。確かGoogleもちょっと噛んでた(よくわからない)と思うんだけど。
バズでも、バズ上でした投稿だけでなくて、Googleリーダーで自分が記事につけたコメント(いわゆる共有コメント)とか、Picasaに自分がアップした写真とか、自分/他人のtwitterのタイムラインとか、そういう他のフィードも自分のバズ上タイムラインに流せる。とてもffに似ている、というか発想は同じ。違うのは、取り込めるフィードがまだ少ない、ということ(バズでは、基本的にGoogleのサービス+αという感じ。アマゾンとかのはできないと思う。flickrはできる。他のサービスでも、接続リストに出てきたり出てこなかったりで、まだ不安定の模様。tumblrはできるという情報もあるけど僕のとこでは簡単には設定できなそう。しないけども)

で、そのように取り込んだフィードや、自分の発言が、タイムラインにどんどん流れていき、さらに他人をフォローすることで、その人のタイムラインも自分に流れていき…、とだんだんカオスになっていきますが、またここでtwitterと違うのは、「投稿に対してコメントできる」ということです(というかそれが本質?)。
twitter でいうところのメンション/コメント付きRTのようなものが、それ用に最適化されてはじめから備わっている、という感じです。尚、投稿についたコメントは、タイムラインの進行方向(下→上)ではなく、投稿ひとつがGmailのスレッドみたいになって、コメント達が上→下へ流れていきます。スレッドの流れは上方向に、スレッド内のコメントの流れは下方向に流れる、という感じ。ああややこしい。

このスレッド機能は、twitterにはない新鮮な機能だと思う。twitterで会話していると、リプライをたどるのが結構面倒/長時間の会話はなかなか続かないけれど、こちらだと、Gmailの返信しあいっこみたいなことになる。良い意味ではひとつの話題に対して深い議論ができる。悪い意味ではひとつの話題に引っ張られて、タイムラインの刹那感が損なわれる/自分の タイムラインが2ちゃんみたいになる。

●twitterと同じところ、違うところ ― ええい箇条書きだ
<メンション・リプライ>
やはり「コンテンツありき/何かを共有するためのもの」だから、なのかどうかはしらないけれど、「とりあえずこいつに話しかけよう」と思ったときの自発メンションができない。
いや、実際にはできるんだけど、それはメアドを知ってる友達ユーザーに対してだけで(@の後にメールアドレスでいけるみたい。でも@の後にユーザー名だとだめだと思う)、見ず知らずのフォローさんにこちらから話かけることはできない(恐らく。違ったらごめんなさい)。話かけたいときは、その人の何かの発言に対してコメントをするしかない。

twitterの場合は、返信があっても、その返信元が重視されたりされなかったり(ああこの人とりあえずこのポストに返信してきただけで、内容は別物だ、ということがよくある)けれど、バズの場合、返信することによってスレッドが立ってしまうので、元の発言に関係のないメンションはしづらい、と思う。

<RT>
どうやらなさそう。自分がフォローしていない誰かのポストにコメント返しをしても、自分のタイムラインにそのポストがあらわれるだけで、自分のフォロワーのタイムラインにはあらわれない。晒したい情報は、URLをコピペして、自分の投稿としてポストしてください。

<DM>
twitterのDMも、バズでは基本的にできない。メアドを知っている人には、メールで連絡すれば済む話ですが。知らない人の場合、プロフィール設定で「メールによるメッセージ受付ますよ」と設定している人に対しては、 DM的な連絡がとれるみたい(メアドを公開するのではなくて、送信者はフォームを使って連絡→受信者はメールボックスに届く、という感じだと思う)。設定してない人に対しては、DMは送れない。

<リスト>
そんなものはない

<フォロー・フォロワーの開示>
twitterの場合は必ず開示されてしまうけれど、バズではプロフィール設定で非開示にすることもできる。

<ふぁぼり>
「Good!」というのがそれに該当すると思う。Googleリーダーの「お気に入り」のようなもの。他に誰がGoodしたかも分かる。自分がGoodしたものの一覧は、どこで見られるんだろう…わからない。

<検索で自分をひっかけられるようにするかどうか>
これもする・しないをプロフィール設定で設定できる、と思う。
【追記】できることはできるが、検索にひっかからないようにすると、見ず知らずの他人にコメント返しすることができなくなる模様。基本は公開しろって言われてます。

●バズのだめなところ
・投稿?ポスト?コメント?バズ?つぶやき?いったいどれだ。― 「投稿」たちのことを、なんと呼ぶのか、まだGoogle側でも定められていない。ひとつの投稿に対する返信は「コメント」だし、自発的なつぶやきは「つぶやき」なのか?「バズ」なのか?わからない。恐らくそれらは機能的に異なるんだろうけれど、でも言葉が統一されていない・説明がないと混乱するわ!
・ユーザー名がややこしい。― 基本的にユーザー名は「Googleアカウントで設定した本名(姓+名)」。なので漢字の人もいるし、姓名の間にスペースもある。しかし、投稿ウインドウの上に出てくる「投稿者としての自分の名前」は、「Gmailで設定した、送信者として表示される名前」となる。なぜだ!
・ユーザー名を変更しても、過去のポストの投稿者名は変わらない(多分)。― おいそれはまずいだろ!過去を変えられないのか?本名で投稿しちゃってあとからハンドルネームに変更いしても本名の投稿は残るしそれが嫌なら投稿ごと全部消せってか?
・過去の誰かの投稿に他人のコメントがつくと、そのスレッドは自分のタイムラインでトップに上がってくる。しかし、過去の誰かの投稿に自分がコメントをつけても、自分のタイムラインではトップに上がってこない(多分)。― ややこしい!
・自分のポストが含まれるスレッドに新たなコメントがつくと、いちいちGmailの受信トレイに通知(実際はメール)が入る。― うざい…。でもこれはGmailのフィルタ機能を使って無効、というか無視にすることができる。あとスレッドごとにそれぞれ「ミュート」をすれば、以後そのスレッドにコメントがついても通知はされない。恐らく「全ミュート設定」はまだない。
・自分のGood!を一覧できないのなら、何の意味があるのか。― まだタイムラインの情報整理に使われているわけでもなさそうだし…。今後に期待するわ!

とりあえずはこの辺で。また書きます。

February 10, 2010

Googleバズは巨大なコメントシステムか

まだPC版のGoogleバズには触れていないのだが、iPhone版のは少し試すことができた。ので感想を。

何となくだが、このサービスは「コンテンツありきのtwitter」なのではないか、という気がしている。動画、写真、マップ上のスポット、ブログの記事など、いままでコメント欄がついていたようなGoogleのコンテンツを核として、そこにつくコメントを、ユーザーごとに整理するシステムなんじゃないか、と。

そう思ったのは、iPhone版のバズが、現在地との紐付けをしつこく要求してきたから。つぶやきにも現在地を入れさせようとするし、マップで見る、というボタンもでかでかと強調されている。ということは、バズに位置情報を埋め込ませて、反対に位置情報からバズを参照させるようなことがしたいのかな、だとしたら、食べログのような店コメントサイトを作りたいのかな、と思ったのだ。

mixiにも、同じような機能があったと思う。本とか映画とかCDに紐付いたレビューができて、そのコンテンツに対するレビューは一覧で見られる。ユーザーごとにレビューを一覧で見ることもできる。それを、本、映画、CDだけではなくて、Googleが持っているコンテンツにも応用できるようにしたんじゃないか、と思った。

そう考えると、Amazonがやっているようなパッケージコンテンツの販売も、Googleが本格的に始める可能性がある、ということなのかもしれない。実際、書籍とか音楽ダウンロードは手がけ始めているだろうから、そのうちYahooみたいな映画予約サービスもやるのかな(もうできるのか?使ったことはない)。今でも映画のコメントとかGoogle上でまとめて見られたかしら。あとで見てみよう。

と、まあ、iTunesのコメント、Amazonのコメント、ブログのコメント、Googleリーダーのコメント、食べログのコメント、YouTubeのコメント、flickrのコメント、Yahoo映画のコメント、そういうのを全部、ユーザーごとに一覧できるようにする。というのがGoogleバズなのか、そうだったら面白いし、twitterとも違うものになるな、と思った。

僕は、twitterの場合、ツイートにコンテンツが紐付くんだと思ってる。あくまで誰がつぶやいたのか、が重要で、だからツイートの参照はユーザーから辿ることが多い。ハッシュタグとかバズったーでコンテンツからの参照をすることもできるけど、どちらかというとそういうのは補助的な機能なんだろう。twitterに言わせれば、馬鹿言え、つぶやきこそがコンテンツだ!、となるのかもしれない。
Googleバズは、誰がつぶやいたか、よりも、何に対していつつぶやいたか、の方が重視されるんだろう。勿論、自分のコンタクトリストとか、狭いコミュニティの中では、誰がつぶやいたかも重視されると思う。でも、コンタクトリストをフォローとして登録するのは、人々をサービスに参加させて、つぶやきの内容を活発なものにするための、Google側の手法なんじゃないか、と。むしろ、知り合いがつぶやいたそのコンテンツに対しての、他のだれかの無数のつぶやきを参照させる、という方がメインになるんじゃないか、と思う。はい、完全に憶測です。間違ってたらごめんなさい。

そうなると、twitterに対するユーザーの態度と、Googleバズに対する態度は違ってくる。書き込む内容も当然違う。でもなあ、このあたりはまだわからないな、やめよう。twitterに対する態度ですら、人それぞれだ。Googleバズは、twitterよりももう少し使い道を限定したもの、というくらいにしておきます。

もし、Googleバズがいま書いたようなコンセプトのサービスだとしたら、Googleは今以上に、沢山のユーザープロファイルを集めることができるようになるんだろう。その人がコメントしたコンテンツを集計して、Amazonみたいに似た物を売りつけることもできるし、映画やブログフィードの紹介をすることもできる。もっとマクロ的に、国別、属性別のトレンド情報をパッケージとして提供することもできる。ああ、こわい。Google、こわい。


個人的には、Googleリーダーのコメント共有の使い方がわかりづらいので、それが少しでもバズと連動して改善されると嬉しい。Googleリーダーはコンタクトリストとの連動もまだうまいことやってないし、そもそもみんなが始めようとしていない。これが一番の問題だ。もっと使いやすくなって、参加しやすくなって、意見交換がしやすくなるのなら、とてもいいことだと思いますよ。Gmailとの統合も、気軽に始めるのにはいいことだろうし。流行るといいですね、Googleバズ。

February 09, 2010

500日のサマー

NOL用下書き。いずれ本家サイトにアップする。
少しネタバレしていますのでご注意ください。

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互いに振り回されあう男性と女性の映画。一応男性が主人公。
相手役の女が、去年のイタリア旅行の飛行機で観たジムキャリーとの映画(イエスマン)で随分よかったので、観に行った。

○話の結論はさほど重要ではない

この話、簡単に言ってしまえば、「片思いをして振られるまでの話」なのだ。別にどんでん返しもトリックもない。ハラハラさせられるわけでも、人生の示唆があるわけでもない。でもその話を、どう語り、どう観客を感情移入させるか、というところでいろいろな工夫がなされていて、観ている者はあちら側の世界にかなり引き込まれてしまう。

実際、多くのレビュワーがストーリーについてさまざまな意見を述べている。それは、話の結論に対してではなくて、主人公の言動や、それに対する相手役の応対など、登場人物の一挙手一投足、あちら側の世界でおきたあんなことやこんなことについてであることが多いように思う。映画のつくりや、制作者の意図、ストーリー進行に向けた批評は驚くほど少ない。これは、ストーリーに微塵の違和感もなく、観る者が映画をリアリティとして捉えた、その結果であるように思う。(もしかすると、多くの恋愛映画がそうなのかもしれないが)

登場人物の言動の是非や、それに対する個人の感想、経験は他の方にお譲りするとして、ここでは、あえて映画の手法や細かい技法についての感想を述べようと思う。(とまあ偉そうに言っておりますが、別に僕は映画をたくさん観るほうでもありませんので、すでにその界隈ではメジャーな手法として認知されているものがあるのかもしれません。その際は悪しからず)

●時間軸を壊す

各シーンの最初に、今何日目か、の提示があって、エピソードが始まる。ひとつのエピソードが終わると、その日の日付から、次の場面の日付まで、ザ・ベスト10のランキングスコアみたいに表示がくるっと回転して、またシーンが始まる。この日付提示カットは全編共通で、「作者の独断」により次のシーンが選ばれていく。たとえばはじめは480日目、次に1日目、15日目、というように。

時間軸どおりに話を進めたらお決まりの展開になってしまうのを、あえてうまく崩壊させているようにも思える。確かに、1日目から始まるんだろうと思って観ていると、ファーストシーンは400何日目かで、意外だった。そのシーンが後々、ラストシーンにつながる重要な場面となったりもして、小手先が利いている。

ただ、日付が前後しまくるので、たまに前後関係がわからなくなる。なぜ主人公は落ち込んでるのか、その理由を理解しないまま話が先に進んでしまったりする。同じ場所での出来事を、日付を変えて対比させるなど、いい効果の場面もあるのに、残念だ(観る者の観察力、理解力の問題であるのだろうが)。まあ、もう一度観ればいいのだろう。

●子供時代のシーン

オープニングで主人公と相手役の子供時代の映像が流れるが、一部に、本人でないか、というくらい似ている子供が出ている。本人ぽい映像は顔のアップがあるが、似てない高校時代の映像は口元、引き画だけだったりするので、本当に本人の子供時代の映像なのかも知れない。

●ディズニー的な心象描写

主人公が嬉しがり、出勤途中に街の人とミュージカル風に踊り出す場面、ディズニー映画の「魔法にかけられて」パロディだろうか。もう少しドラマチックに撮ってもよかったのではないかと思った。ディズニーに比べるとすこしあっさりしていてせっかくの踊りが勿体無い気もする。ただ、場面としては凄くいい場面で、役割は十分果たしていると思う。

●2画面分割の同時進行シーン

主人公の頭の中の理想世界と、現実世界が同時に画面に表示される場面。左半分は理想世界、右半分は現実世界。観覧者が理解しやすいよう、左右で時間差をつけるべきところはつけ、同時進行にするべきところは同時に流す。演技の差もあっておもしろい。結局現実は理想どおりには行かず、理想を一度頭の中で考えた上で現実を過ごす主人公はとても空虚な目をしている。理想の中の女はとても優しいが、現実はとてもそっけなく社交辞令じみている。

同じ世界の内容を2画面分割、別カットで描写することは多くあるが、パラレルワールドを同時画面に表示する例はあまりないのではないか。

●手書き絵への変換

理想・現実場面の最後で主人公は相手役の女が婚約指輪をしている現実を目の当たりにする。1番の衝撃的シーン。パーティー会場から逃げ出して外に出ると、主人公の前に広がる街並みが鉛筆画に書き替えられていき、その後全て消しゴムで消される。主人公は建築家志望であるので、主人公の頭の中の処理の様子を描いたものなのかもしれない。

○で、相手役の女は、結局どうだったのか

すばらしかった。もう一回観たい。