December 24, 2009

ダウンロード

もう年末だ。でも僕はダウンロードをしている。動画に画像にテキストに、ダウンロードをしまくっている。いつものことだ年末だからという訳じゃない。
誰が何をダウンロードしたか、は、その人が何を食べたか、のようなものだから、政府が全て把握することは許されないのかもしれないけど、それをひとつの企業でやろうとしているところもある。とにかくどうなってしまうのか、僕にはよくわからない。予想もつかない。
ダウンロードで何が満たされるのか?何でもですよ。足りないものをいろいろと埋めてくれる。まだまだダウンロードできないものはたくさんあるけれど、そのうち何だってできるようになるだろう。昔は声だって遠隔地に伝えられなかったのだ。
ダウンロードする人は、いま世界中で増え続けている。ダウンロードとアップロードすることで、世界は回っているような気もする。やりとりしている内容は様々だけど、使っている基本システムは同じだ。そしてさらに、それをもっと速く、直感的に、気持ちよくできやしないか、そうすれば人々はそれにたくさんのお金を払うんじゃないかと考える人達が、日々研究開発に勤しんでいる。お疲れさまだ。


なんだか、宗教みたいだ、と思う。いや、正確には宗教に似ているというより、宗教が出来上がって広まって行った時のような反応を人類はしているな、と思う。なぜなら、僕の周りには二人、インターネット嫌いがいるからだ。その人達の話を聞いていて、そう思った。キリスト教を禁じた将軍と同じで、彼等にとってインターネットは、得体のしれない、気持ちの悪い、理解のできないものなんだそうだ。それがどんどん巨大になっていき、しまいには世界を、自分を飲み込んでしまうんじゃないかと不安になっているのだ。インターネットをヘビーに使いまわすギークな奴らも、将軍たちから見れば、まあ同じような感じで、異端者としてみられているんだと思う。
逆に、ギーク野郎の側、例えギークでなくても、インターネットを利用することに抵抗がなく、その発展を素直に喜ぶ側からすれば、ダウンロードとアップロードのもたらす恩恵は、過去にないすばらしさだ。単純に便利になっただけでは済まされない、心の充足を、提供してくれるのだから。

僕は、喜ばしい反面、怖いとも思う。インターネットのせいで、いま想像しているような未来ではない、まだ誰も考え付いていない未来が、今後でてくる可能性もある。マトリックスなんて茶番なのかもしれない。もっとひどいことになるかもしれない。なのに毎日、未来のことをだいたいわかったふりしてみんな生きているのは、そうでもしなけりゃ不安でやっていけないからなんだろうなあ。

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