July 17, 2010

入院の記憶録

5歳くらいのときだ。僕はよく入院した。気管支が悪くて、喘息になりかけていたらしい。弱い子供だった。幼稚園もたくさんやすんだ。そのおかげで友達もさほどできず、こんな大人になってしまった。後悔はしていない。

どうやらiPhoneから投稿しても余計な改行がされないことがわかったので、思う存分にノン改行できる。素晴らしいことだ。人はときに素晴らしいはずのことを当たり前と感じてしまう癖があるが、そういうことはなるべく避けたい。

先週の土曜日に入院して、今日でまる一週間。ちょうど7日前の今くらいの時間にベッドインした。5歳くらいで退院してから、とても久しぶりの入院。同じ病院というわけでもないので、懐かしいとかはないのだが、とおもっていたのだが、あったのだ。懐かしいことがあったのだ。

入院したその日から3日間、ぼくは一日二本の点滴を打った。初日に、その点滴の針を腕に刺したのだが、そのとき、あっ!と脳が反応したのだ。

僕はそもそも注射が大嫌いだ。自分の体から血が出ること全般がダメだ。それを直視できない。だから点滴の針を刺すときも目をつぶって横を向いていた。で、針が肘と手首の間の表側の皮膚に入って行く時、どうやら腕は覚えていたらしい。針が血管に入って行く時の違和感に、おかえり、と腕が言うのが聞こえた。針は無言だった。


点滴をしていて怖かったのは、空気が点滴のチューブを伝って血管に入って行くこと。少量なら人体に影響はないと言われているとのことだが、精神的によろしいものではない。

それから、夜になると点滴のチューブを外し(チューブは外すが針は外さない)、針部分に血が固まらないようにする薬を注入する。そのとき、おい看護師そんなに勢いよく薬剤を注入したら体内の血圧が急激に増加しておれはどうにかなってしまうんじゃないかと毎回不安になる。

さらに、点滴をしていない状態だと、針から血液が逆流して体外のチューブに流れ出す。その、体外に流れ出て時間が経った血液は、次回点滴時に体内へ強制的に戻すのだが、それが痛んだりしていないのかどうか毎回不安になる。


月曜、生検をとった。肋骨のあたりに局所麻酔をして、体内に針を刺し、内臓の組織を少量直接取り出すというアレです。これについてはもう考えたくない。恐怖で死ぬかとおもった。死ななかったのでよかった。


とにかく健康は奇跡だ。健康になったら、健康は奇跡だと言うことをみんなに伝える人になろうかと今は思っておる。

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