January 13, 2010

回線

iPhoneが、この先どうなるのかについて、少し思うところがありまして。

パソコンは、毎年新モデルが発表され、メモリやらCPUやら画面やら、「それまでと同じ機能でも、パフォーマンスが改善された」新商品が出続けています。
ごくたまに、何年かに一度、新しい機能が付け加えられることはありますが、メイン機能は変わらぬまま。より早くなった、より綺麗になった、がたいていの宣伝文句です。

また、そのハードの進化(というか改善)とは別に、OSやソフトの進化、というものもあります。ハードの進化に比べてソフトの進化はゆっくりで、更新スパンは長いことが多いですが、その分、更新時には新機能がたくさんつけられることが多いです。

そしてこれまで、ハード業者もソフト業者も、それぞれがこういう独自更新をし続けて、飯を食ってきました。

で、iPhoneです。
今のところ、iPhoneはハードとOSがセットで売られています。しかも同じ業者から。OSのアップデートは今のところ無料。OS以外のソフトは別売りで、無料のものも有料のものもありますが、値段は開発者にゆだねられています。

ここで疑問に思うのは、
・今後、iPhoneのハードの更新スパンと、OSの更新スパンはどのくらいになるのか、
・また、更新ごとにかかる金額はどのくらいになるのか、
・更新によって、どのくらいの新しい便利さがユーザーに提供されるのか、
・更新をしなかった場合、ユーザーはどんな不便を強いられるのか、
とかそのあたりのことです。
Appleは、iPhoneをどのように売ろうとしているのか、逆を言えば、僕らiPhoneユーザーは今後、iPhoneにどれだけお金を払うことになるのか、それが気がかりなのです。

もちろん、新規ユーザーの拡大でAppleは今後も儲けられるでしょうから、少なくとも数年は、ユーザーに対する新たな課金が始まることはない、と(希望的に)思っています。みんながiPhoneを持ち終えた後、どうなるか、が気がかりなのです。
(もちろん、その頃には新たな技術が出てきて、あるいは新たな競合が出てきて、あるいは・・、と枚挙に暇がありませんが、
その辺はまあ無視します。)

まず、iPhoneのハード面について。
焦点は、iPhoneに、より強力なマシンスペックは必要なのかどうか、です。
パソコンと違い、今のところiPhoneにはマシンスペックに依存するアプリケーションがさほど多くありません。ゲームや動画など、もちろん該当するものはあれど、それ以外にたくさん有用なアプリはあるし、それらの大多数アプリが扱うデータは、文字か低解像度の画像ばかりです。現在のマシンスペックでも充分に動作します。

今後、もっとマシン付加の高いアプリが出現し、それがモバイルの小さい画面で操作するのにとても都合がよく作られていて、さらに外出先でそのアプリを使った作業(作業とは限りませんが)を行うことを多くの人々が求めているなら、よりハード性能の高いiPhoneを出す意味もあると思います。
(一番可能性が高いのはゲームアプリです。ただ、僕はあまりゲームに興味がないので、大きく取り上げていません。すいません。)
何となく僕は、iPhoneハードの進化はそんなに進まないんじゃないかな、と思っています。進んだとしても、ユーザー全員が毎回買い換えるようなことにはならないんじゃないか、と。結果的に、これではあまりAppleは儲けられないんじゃないか、と思います。

次にソフト面(OS)について。
焦点は、iPhoneOSのアップデート時に、顧客から料金をとるようになるのか、です。
可能性は高いと思いますが、個人的にはやって欲しくありません。だってお金を払いたくないから。今まで無料で提供されてきたものに、お金を払うというのは、気持ちがいいもんではありません。
Appleにとっても、そういう消費者意識を鑑みて、各回のアップデートで顧客から取るお金にはある程度の上限を設けるでしょうから、結果的に、ここでもAppleはそんなに儲けられないんじゃないか、と思います。

普通なら、ここで、アプリの販売マージンで儲ける、という話にいくんでしょうか。実際もそうだと思います。
あと、iPhoneデータのクラウド化というユーザー向けの別サービス(モバイルなんとか)で儲けるというのもあるかもしれません(でもこれも皆がやりたいわけじゃない)。
あるいは、誰も予想してない、でも誰もが欲しがる新ハード機能(ラジオとか、大画面とか、カメラ高解像度化ではない何か。感覚フィードバックディスプレイかもしれません)でもうひと儲け、という可能性も充分にあります。

いちユーザーから見て、これにならお金を払ってもいい、ということ。
それは回線です。
今のiPhoneにとって、回線は生命線です。ローカルにダウンロードしたアプリや音楽で充分楽しめるには楽しめますし、それ以上のものは求めない人も中にはいるでしょうが、何かをダウンロード・アップロードする手段としてiPhoneは便利だなと思いながら使っている人もたくさんいるはずです。
でも、今の回線は弱くて遅い。貧弱すぎます。なぜ携帯電話を普及させるときにはじめからwifiを全基地局に完備しなかったのでしょうか。今の回線は貧弱で、僕らの求めるものとはかけ離れています。
もし、日本のどこでもつながる高速無線回線があったら、そこに月々いくらかのお金を払うことは、検討に値することです。

個人的には、Appleにはここで頑張ってもらえるとうれしい。各国の回線業者と手を組むでもいいです。少なくとも今のような完全丸投げはよして欲しいな、なんて思ったりしているわけです。
あるいは、もしgoogleがこの回線に手をだして、端末とOSと高速回線をセットで、無料で配布しだしたら・・・、なんて考えるととても楽しいわけです。

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