June 25, 2007

生物2

[DNAの転写と翻訳]
DNAからタンパク質が作られるのは、以下のような流れで行われる。

まず、DNAに、RNAポリメラーゼが取り付く。ポリメラーゼは、取り付いたDNAのコピーを作る。このとき、DNAからDNAを作るのではなく、RNAを作る。(この作業を転写という)RNAは性質などほぼDNAと同じだが、構造や塩基の種類が少し違う。 DNAのコピーであるRNAは、m(メッセンジャーのm)RNAと呼ばれる。

RNAポリメラーゼが取り付く部分は、遺伝子のプロモーターと呼ばれる。また、取り付いたポリメラーゼがDNAから離れる部分は、遺伝子のターミネーターと呼ばれる。ちなみに、このRNAポリメラーゼ自体も、タンパク質の一種である。

なお、mRNAは、核内で合成され、核外に出る際、余分な部分(タンパク質に翻訳する際に不要となる塩基配列)を切り取られたり(この作業をスプライシングという)、また頭部や尾部に特定の配列をつなげられたりする。

次に、mRNAの塩基配列を細胞内のリボソームが読み取ることで、タンパク質が作られる。mRNAの塩基は、3つで1つのタンパク質を指定しており、この遺伝配列はコドンと呼ばれている。リボソームは、まずmRNAの頭部に取り付き、3つの塩基配列を1つのタンパク質に変換するごとに、3塩基ずつ進んでいく。

3つの塩基配列に1つのタンパク質を対応させる作業は、t(トランスファーのt)RNAによって行われる。tRNAは、全てのアミノ酸それぞれに個別に対応するRNAで、ある1種類のアミノ酸に特異的に結合する部分と、そのアミノ酸に対応する3塩基と相補的なRNA塩基を持つ。mRNAのコドンに、リボソームを介して、アミノ酸と結合したtRNAが取り付くことで、タンパク質のアミノ酸配列は1つ決定される。それが次々と行われることで、タンパク質が作られてゆく。リボソームは、tRNAとmRNAの結合の場として、また、アミノ酸を次々につなげていく反応の触媒として働いている。(この、mRNAからタンパク質を作る作業を翻訳という)

ちなみに、リボソームは、タンパク質と、r(リボソームのr)RNAから成る。細胞内に存在する主なRNAは、mRNA、tRNA、rRNAの3種類である。(ただし、一部で、異なる形態のRNAも存在する)

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