December 20, 2005

1220

・日比谷線は、何故か知らないが、かなり混んでいた。酔っ払いの数も少なかった。まだ九時少し過ぎであった。私は、茅場町で大量に人々が降り、席が空いたので、一番右の座席に座った。直ぐに人々が乗り込んできて、車両はまた満員になった。次の駅でも、その次の駅でも、人々が乗り込んできた。これでは、上野で降りられないかもしれない。しかしよい。北千住まで座っていけば、そこでも常磐線に乗り換えることはできる。と思っていたが、いざ上野に着くと、やはり人々がまた大量に降りたので、私も一緒になって降りた。
・常磐線の十番ホームは、日比谷線とは対照的に空いていた。私は、一番後部の車両位置の列に並び、列車が来るのを待った。私が並んでいると、私が乗る列車の車掌がやってきた。彼は一重まぶたの、短髪の青年であった。常磐線の車掌で、彼ほど若い青年も珍しい。
・土浦駅からの上り電車がやってきた。この列車は、終点であるここ上野駅で、乗客を降ろしたあと、一旦ドアを閉めて、係員が車内清掃を行う。私達は、列に並んだまま、車内清掃が終わるのを待った。その間に、今、乗務を終えた中年の車掌が、車掌室から降りてきた。青年車掌は、その中年車掌を見つけるなり、親しい調子で、しかし礼儀正しく、軽い挨拶を交わしていた。いい感じの青年車掌である。九時半を少し回っていた。
・私はふと、今日このあと、何か良くないことが起きるという気がして、胸騒ぎがした。
・これが、虫の知らせというものか。列車のドアが開き、私達が乗り込むやいなや、青年車掌が慌てた様子でアナウンスした。たった今、取手駅にて、人身事故が発生いたしました。何と悪いタイミングであろうか。復旧までには、相当の時間がかかると思われます。青年のアナウンスは、焦ったようではあったが、的確で、誠意に満ち溢れていた。

2 comments:

Anonymous said...

おもしろかったよ

yulla wei said...

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